Case11：セックス後の腹痛、下腹部の違和感

セックス後に腹痛や、下腹部の違和感を持ったことがある方は多いのではないでしょうか？

セックス直後には気付かなかったものの、通勤や通学途中に歩いたり、座ったりという動作の中で気付いた…という痛みに心当たりはありませんか？

今回は、なぜそのような痛みが生じるのか、原因をまとめました。

腹痛に悩む女性たちのリアルな声

セックス後に腹痛が生じる原因5つ

1.体位との関係

セックスの後の腹痛は、もしかするとその体位が原因かもしれません。

中でもバックの体位は、正常位などと比較し、よりペニスを奥まで挿入されます。そうすると、周囲の臓器に刺激や圧迫が加わり、セックス後に腹痛を感じるようになるのです。

セックスの最中に違和感がある場合には、女性が恥ずかしがらずにリードするという手もあります。苦手な体位を避けるだけでなく、テンポをスローにすることで改善される場合があります。無理をせず、心地良いセックスを心がけましょう。

2.前戯・愛撫が不十分

腹痛の原因は実は挿入前にあるのかもしれません。膣がこすれると痛みが生じることがありますが、これは挿入前の前戯や愛撫が不十分なことによります。

男性本位のセックスに、身を委ねていませんか？セックスを振り返って、自分の身体はしっかり相手を受け入れる準備はできていたでしょうか。その時の一瞬は我慢できても、継続的に準備が整っていない状態で挿入を続けると、女性側の大きな負担になります。しっかりとした準備を整えてから挿入に至りましょう。

3.腸への刺激

セックスのあとに腹痛だけではなく、下痢などの症状に見舞われた経験がある方は多いのではないでしょうか。セックスの後にお腹が緩くなったような症状が生じるのは、腸と子宮の位置関係にあります。

膣や子宮との距離が近い腸は、セックスの時に挿入されたペニスによる刺激を強く受けます。そのため腹痛などの症状が生じます。しかしこれは生理現象のため、疾患などを疑う必要はありません。

4.子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来は子宮内にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮内膜様の組織が、 卵巣や直腸、膣などの子宮以外の場所にできる病気のことを指します。もしもセックスの最中や後に生じる痛みが、膣の奥のほうに突き上げるような痛みの場合、子宮内膜症を疑う必要があるでしょう。

子宮内膜症の場合、通常月経時に排出されるはずの子宮内膜を排出することができず、血液が体内に溜まっていってしまいます。この結果、体への様々な悪影響をもたらします。下腹部の違和感はあくまでその1つの症状ですが、継続的な違和感や、セックスの後以外の腹痛や下痢などの症状がある場合には、注意を払う必要があります。

不妊症の原因となることもあるため、不安な場合は病院へ行きましょう。

5.子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮内にできる良性の主要です。良性のため手術などは必要ありませんが、腹痛や腰痛、性交痛が発生する可能性があります。

子宮筋腫自体は命に関わるものではありません。しかし場合によっては不妊症の原因となることもあります。また、流産の原因となることもあるため、子宮筋腫が疑わしい場合には適切な処置が必要です。

症状があまりない場合もありますが、生理痛が重かったり、月経時の出血量が増えたり、自身で気付ける要素は幾つかあります。そのため、疑わしい場合は病院へ行きましょう。

6.クラミジアや淋病などの性病

実はセックス後の腹痛は、性病のサインかもしれません。腹痛や下痢を引き起こす原因となる性病には、クラミジアや淋病などが挙げられます。

性病と言うと、かゆみや陰部の痛みのイメージがあり、腹痛とは結び付きにくいかもしれません。しかし例えばクラミジアの場合、卵管に留まらず、お腹の中まで菌が入り腹痛をもたらすことがあります。その結果、腹部で炎症状態となります。淋病の場合、子宮頸管炎などを引き起こします。その結果、セックスの刺激によって腹痛や痛みとなることがあります。

性病を完治させるには、やや時間が必要です。気付いたタイミングでの受診を心がけましょう。

セックス後の腹痛…対処法は？

パートナーと相談する

セックス後の腹痛は、パートナーとの相談で解決できる場合があります。

セックス後に生じる痛みは、セックス中の症状と異なり疾患などの影響ではなく、無理な体位や強すぎる刺激な場合がほとんどです。自身のセックスを思い返して、相手のためにと無理をしていたことはありませんか？

前戯が不十分だったり、愛撫の仕方が乱暴だったりする場合や、AVを見すぎることによる女性に負担がかかる体位などでセックスを行っている場合は注意が必要です。まずは自分の気持ちを素直に打ち合け、お互いに心地よいセックスを心掛けましょう。

婦人科があるクリニックで相談する

どうしても痛みが解消しない場合、婦人科を受診することをオススメします。

婦人科と聞くと、抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれません。また、痛いとは言っても我慢できる範疇だとして、我慢を続ける人も少なくありません。しかし、下腹部の痛みがしばらく続く場合や、痛みが徐々に悪化している場合は違う原因が考えられます。また、セックス後だけではなく、セックス中にも痛みが生じ始めた場合、無理は禁物です。

痛みを我慢することにより、膣内の傷が悪化し細菌が入ってしまったり、何か病気のサインを見逃してしまっている可能性も考えられます。自身の症状の変化に細心の注意を払い、最善の選択を心掛けましょう。